身体 PartⅠ 「重力と姿勢」
身体 PartⅠ「重力と姿勢」
姿勢を知ることは、自分の身体の“はじまり”を知ること。
トレーニングを始めるにあたって、まず知ってほしいのは「人間の身体の歴史」、そして「構造的な特徴」です。
私たち人間の身体は、地球の重力にどう適応するかという進化の過程の中で形づくられてきました。
【重力と直立二足歩行】
人間は、他の動物とは異なり「直立二足歩行」を獲得した唯一の存在です。
これは重力に逆らいながら効率よく生き抜くための進化の結果であり、重力に耐える・重力を活かすことが人間の身体構造の大前提になっています。
この進化によって、人は頭を身体の真上に置くことで脳が発達し、精神的な活動が可能となりました。その一方で、精神の状態が身体に大きく影響を及ぼすという「こころとからだの連動性」も強く現れるようになったのです。
【人間特有の「骨格」構造】
直立歩行を可能にしているもう一つの要素が「S字カーブ」を描いた背骨、つまり生理的湾曲です。
このカーブがあることで…
- 腰に反りが生まれ、重力の負担を分散
- クッションのように椎骨が衝撃を吸収
- 全身の関節や筋肉の負担を軽減
- 頭を垂直に保ち、身体のバランスを最適化
さらに、次のような身体動作がスムーズに行えるようになります。
- 足の親指で体重を支える
- 肩甲骨が緩んで可動域が広がる
- 膝裏が伸びることで脚のバネが効く
- 手指の自由度が増す(道具の使用など)
このように、腰に自然なカーブがあること=美しく、力強く、健康な身体の条件であり、姿勢はその土台となるものです。
【姿勢を整えることがすべてのスタート】
トレーナーであり整体師として、私はトレーニングの前に“自分の姿勢”を知ることが何より重要だと考えています。
なぜなら、
正しい姿勢は動きの効率を高め
ケガや疲労を予防し
美しさやパフォーマンスにも直結するからです。
どんなに良いトレーニングを積んでも、土台となる姿勢が崩れていては本来の力を発揮できません。
【次回予告】
身体 PartⅡ「赤ちゃんのハイハイ」では、私たちの運動発達の原点とも言える「ハイハイ」が、なぜ現代のトレーニングにも重要なのか?を深掘りしていきます。
赤ちゃんの動きには、大人の身体に必要な“自然な動き”のヒントが詰まっています。次回もぜひお楽しみに。
— BUNGO
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