身体の力点と源を探ろう!
身体の力点と源を探ろう!
産まれてから運動もできない赤ちゃんがどうやって立てるようになっていくのでしょうか?
生後間もなく人間の赤ちゃんは、私たちが普段何気なく行っているように身体を思い通り動かすことができません。成長につれて、次第に自らの身体を動かすことが出来るようになっていきます。
身体を思い通りに動かせるようになるまでには身体の成長と脳の発達が必要です。
生まれたばかりの赤ちゃんでも手足は想像以上の強い力で握ることができます。赤ちゃんの手の平に指を乗せてみると握り返してきますよね!?
これは本能的に備わった反応で「把握反射」と呼ばれています。「原始反射」とも言います。それではなぜ「原始反射」が備わっているのでしょうか?
原始反射には
「バンビスキー反射」
足の裏をかかとからつま先にかけてなぞると足の指を広げる。
「モロー反射」
身体が傾いたときにバンザイをするかのように両手をあげる。
などいくつかの反射的に行われている運動があります。原始反射は「脳幹」という脳の下にある部位によりコントロールされている身体の動きです。
「脳幹」には呼吸中枢、心臓中枢などの生命維持には欠かせない意識とは無関係に身体の働きをコントロールしてくれる脳の中の場所です。
中でも「把握反射」は身体の源(基礎、基本)を意識とは関係なく造ってくれています。「把握反射」による手足の運動は心臓と同じように無意識にコントロールされ反射的に何度も何度も動かされ身体の成長と脳の発達のために鍛え造られていくのです。
やがて月日が経ち発達が進むにつれて、原始反射は必要なくなり身体を動かす役割を担うのは、「脳幹」から「中枢神経系」に移行されていきます。「中枢神経系」に移った事で自らの意思で身体を盛んに動かせるようになります。
こうして「身体を思い通りに動かす力」を手に入れる事ができるのです。
赤ちゃんがお母さんのお腹の中に居る時から手足の指を握りしめているのは、赤ちゃんが成長していくために手足がとても重要な役割を担っている証拠です。
つまり手足の力、指の力を付ける事は産まれた瞬間から一番重要な部分として身体の構造的な仕組み(基礎、基本)として備えられているのです。
さらに、人間は産まれてから歩くようになるまでに、約1年はかかります。
草食動物は(牛・馬・シカ・ヒツジなど)産まれてから1~2時間で立ち歩けるようになります。草食動物は肉食動物から身を守るための手段として直ぐに立てるように身体の仕組みを進化させてきました。
産まれて直ぐに歩く事が可能な身体をお母さんのお腹の中にいる時から造っています。
産まれて直ぐに立ち 歩く事が出来るように進化した秘密の一つは蹄(ひづめ)にあり、人間でいうと手・指・爪先の部分に当たります。
例えばウマの足の指は何本あるかご存知ですか?
ウマのあしを確認すると蹄(ひづめ)、人間でいうところの爪にあたる部分があります・・・蹄は1つ!指は 1 本!?と言いたいところですが、蹄は一つ指は一応3 本あります。しかし、そのうち 2 本は退化して、ほとんどないような状態で、実質1 本という事になります。
大昔のウマの祖先はもっと指があり産まれてから立つまでは何日もかかっていたと言われています。退化して消滅して小さくなり、1 本だけが非常に発達して、現在のウマの足の指の構造になったため産まれてから直ぐに立ち歩けるようになりました。
草食動物は、肉食動物から身を守るために少しでも早く一人で歩いたり走ったりしなくてはいけません。
そのために上記のように身体の仕組み、構造をより単純に一部分を特化させる必要があったのです。
直ぐに立つ事が出来る草食動物と人間の徹底的な違いは手足の動きや形にあります。
人間の特性である複雑な手足の動きは二足歩行を可能にすると同時に意思、思考、感情というような精神世界「知能」を発達させてきました。
知能を発達させたことで動物の頂点に立つことになります。それは時間をかけて子供を安全に育てる事を可能にしています。
人間の複雑な身体や脳を造るためにはそれなりの時間をかけて育っていく必要があります。
ここまでの話しから
人間の複雑な身体と脳を造っている「力点」「源」(基礎、基本)は手足にある事が分かっていただけたでしょうか?
BUNGO式トレーニングでは基礎、基本を大切にどのトレーニングも行っています。
ここまで話が長いと思われているかもしれませんが、これまでトレーニングをする上でとても大事な基本的なお話をしてきました。
それでは次回
実際に「BUNGO式 手力、足力トレーニング」をやってみよう!!
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