【ATP アデノシン三リン酸】

Adenosine TriPhosphate / ATP 

アデノシン三リン酸(ATP)


ATPは、Adenosine Tri-Phosphate(アデノシン3リン酸)の略で

〇アデノシン
〇糖(リボース)
〇リン酸基×3


「アデニン」「リボース」3つの「リン酸」から構成されている高エネルギー性の化合物です。


ATPとは 


ATPとは 筋肉を動かすために必要なエネルギー源で、とても重要な働きをしてくれています。
ATPから1つのリン酸が離れ、ADP(Adenosine Di-Phosphate:アデノシン2リン酸)に加水分解される際に生じるエネルギーを利用し、筋肉運動を行います。


筋肉内に貯蔵されているATPの量はごく限られている為、運動を続けるにはATPの「再合成」や「産生」が必要となります。ATPを再合成あるいは産生する経路は大きく3つ存在し、それぞれ「クレアチンリン酸系」「乳酸系」そして「有酸素系」と呼ばれ、これら3つは特徴が違う経路によって筋肉にエネルギーを供給しています。


ATPは身体を動かすのに無くてはならない物質であり、私達の生命活動のエネルギー媒介物質です。故に「生体のエネルギー通貨」とも言われています。


身体活動や運動のためのエネルギー代謝の仕組みを理解してトレーニングに取り組んでください。



運動のためのエネルギー供給

◎クレアチンリン酸系(ATP-CPr系)

●代謝の種類:嫌気的代謝(酸素を必要としない)
●運動の種類:無酸素性運動
●材料:クレアチン
●エネルギー強度: ハイパワー
●持続時間:10秒前後
【特徴】
最初の一瞬の瞬発力に重要になるのがこのクレアチンリン酸系

ATPは筋繊維の中にごく少量しか貯蔵されていないために大きな力を生み出すと筋内のATPは瞬く間に消費されてすぐに尽きてしまいます。
ATPの消費が激しい場合は瞬時にATPの「再合成」や「産生」をして運動エネルギー源を作る必要があります。

そこで、骨格筋にとって重要なエネルギー貯蔵物質であるクレアチンリン酸を分解することでリン酸を放出しADPからATPを再合成します。
瞬時にATPを再合成させれる代わりに短時間しか働きません。

クレアチンリン酸は、アミノ酸の一種であるクレアチンがリン酸化されたもので、肝臓で合成され血液によって筋肉に運ばれます。

◎乳酸系
●代謝の種類:嫌気的代謝(酸素を必要としない)
●運動の種類:無酸素性運動
●材料:糖
●エネルギー強度: ミドルパワー
●持続時間:1分前後
【特徴】
乳酸系は長い時間渡って激しい運動を繰り返すスポーツ選手にとって筋肉収縮のための非常に重要なエネルギー供給系です。
クレアチンリン酸機構だけでは短時間しかATPを補充できないため、さらに運動を続けるためには筋肉内に蓄えられている糖の一種であるグリコーゲンからATPを再合成するが必要があります。

筋肉に蓄えられるグリコーゲンを筋グリコーゲンといい糖を分解してエネルギーを作る事を解糖系といい。体内にあるグリコーゲンの8〜9割が筋グリコーゲンとして蓄えられていて運動においてとても重要な役割を果たしています。

「解糖系」は、筋肉中に蓄えられている「グリコーゲン」を「グルコース」に分解し、「グルコース」を代謝して、「ATP」を得るものです

「グリコーゲン」が「グルコース」に分解されると、酸素がないような嫌気的な条件では、「ピルビン酸」を経て「乳酸」となり、その過程でATPを生産していきます。

乳酸は筋肉の収縮を阻害する働きをするため疲労物質とも呼ばれています。この状態が続くと乳酸の増加と筋肉内のグリコーゲンの枯渇によって筋肉は収縮が困難になります。
ここで酸素が供給されると、細胞内のミトコンドリアにおいて生成された乳酸の一部が、水と二酸化炭素に分解され、取り出されたエネルギーで再びグリコーゲンが再合成されます。

ただし大量に生成された乳酸を分解するだけの酸素が供給されないと乳酸が蓄積され筋肉はどんどん疲労状態になっていきます。

また運動中はその時間量に比例して血糖を細胞に取り込む働きが活発になるので、運動直後に炭水化物・糖類を速やかに補給することは筋グリコーゲンの速やかな回復につながります。

◎有酸素系
●代謝の種類:好気的代謝(酸素を必要とする)
●運動の種類:有酸素性運動
●材料:炭水化物、脂肪
●エネルギー強度: ローパワー
●持続時間:長時間
【特徴】

半永久的にエネルギーを作り続けるエネルギー供給系が有酸素系です。

運動強度が低く長時間働く場合はグリコーゲンの減少とともに、脂肪がエネルギー源に切り替わっていきます。


この経路は大変複雑で、また代謝の過程で酸素を必要とする好気性代謝の為に、先に挙げた2つのエネルギー供給系と異なり瞬間的なエネルギー供給には不向きです。しかしながらエネルギーの供給量が大きいため、有酸素系のATP再合成によって長時間の運動が可能となります。


細胞内のミトコンドリアによって代謝が行われて、複雑な過程を経て処理されますが、最終的に炭水化物が水と二酸化炭素に分解されます。これらは解糖系・クエン酸回路・酸化的リン酸化(電子伝達系)の3つの代謝に分かれて多くのATPを再合成する事が可能です。




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クエン酸サイクル
クエン酸サイクルとは
●食事から摂った糖質
●疲労の原因物質である乳酸・体脂肪など
これらを分解し、エネルギー(筋肉)に変換するサイクルです。

人間が生きるためにエネルギーは欠かせないものです。食事によって得られた栄養素はオキサロ酢酸と結合し、最終的にクエン酸となります。

炭水化物、たんぱく質、脂肪を摂取した人体で消化吸収された分子は三つの段階(解糖、クエン酸回路、電子伝達)を経てエネルギー源となるATPをつくります。


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