筋線維【速筋•遅筋•中間筋】

筋線維【速筋•遅筋•中間筋】

何千本もの筋線維が束になって筋肉は出来ています。

筋線維には大きく分けると2つのタイプ
【➀遅筋(ちきん)】と【➁速筋(そっきん)】があります。

さらに速筋には遅筋に近い性質を持った【中間筋(ちゅうかんきん)(➁Type A)】と【速筋(➁Type B)】の2種類の繊維に分ける事ができます。

筋肉の断面を見てみると
【遅筋】【中間筋】【速筋】の3種類の線維がモザイク状に分布しています。
どの筋線維がそれくらいの割合を占めるかは、人によって、または筋肉の部位によって変わってきます。

「速筋」(筋繊維タイプ➁b)


爆発的な速い収縮(Fast)ができる筋肉で、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。
一瞬の力(短時間で大きな力)を発揮するときに使われます。しかし、大きな力を発揮する反面、持久力(スタミナ)がなく疲れやすい筋肉です。  
瞬間的にパワーを出す際に、速筋線維に蓄えられている糖を分解しエネルギーを取り出します(解糖系)。それと同時に「乳酸」が作られ、筋肉は酸性になり長く力を出し続ける事が出来ません。

陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えていきます。

「速筋」は筋肉が白っぽく見えるため白筋。


「遅筋」(筋繊維タイプ➀)

持久的な運動において持続的に遅い収縮(Slow)を繰り返すことが出来る筋肉で、酸素(Oxygen)を利用してエネルギーを消費することからSO筋とも別称されます。
遅筋の筋細胞には「ミトコンドリア」が多く存在しています。また酸素を取り込む「ミオグロビン」というタンパク質も多く含まれています。
遅筋線維の周りには酸素を運び二酸化炭素を除去する毛細血管が沢山あり、糖や脂肪を酸化させて沢山のATPを取り出すのに向いているのです。
ちなみにこの酸化系の反応では乳酸が出来ません。速筋で作られた乳酸もこの遅筋に運ばれ、ミトコンドリアにより酸化され再びエネルギーとして合成されます。

陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。
筋力トレーニングでは90秒以上又は20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。

「遅筋」は赤く見えるため赤筋。


「中間筋」(筋繊維タイプ➁a)

持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を利用してエネルギーを消費することからFO筋とも別称されます。
人間の体内の筋肉を観察したとき、遅筋と速筋の性質を備えた中間筋という状態で存在しています。筋肉ごとに赤白がハッキリしているわけではありません。ほとんどの筋肉が多かれ少なかれ、遅筋と速筋の2つの働きを担っています。
そして、この遅筋と速筋の両方の性質を備えて中間の性質を持つ筋肉も存在しています。
中間筋は糖からエネルギーを取り出し乳酸を作りますが、その乳酸をミトコンドリアで酸化させて再びエネルギーに戻しているので、遅筋よりも強いパワーを長時間に渡って出し続けることが出来ます。

陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。
筋力トレーニングでは60秒以上90秒以内又12〜20回での反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。

「中間筋」赤筋と白筋がまざり中間のピンク色。




「速筋」「遅筋」の筋肉にしめる割合は、生まれたときから比率は決まっており、トレーニングによって比率を大きく変えることはできないと考えられていますが、それぞれの筋繊維を太く強くすることはできます。
またトレーニングによっては速筋の一部または多くの部分を「中間筋」に変えることが出来るということが分かってきました。中間筋の発達は、エネルギー代謝の面から見て様々なスポーツの競技力向上に非常に効果が高いことも証明されています。

白身の魚と赤身の魚

タイやヒラメは一瞬に逃げる速さをもった白身の「速筋」です。
マグロやカツオは、長時間泳ぐスタミナをもった赤身の「遅筋」です。 

魚の例から考えますと私たち人間の「速筋」は、主に短距離走やウエイト・トレーニングなどに使われます。「遅筋」は、長距離走などに使われます。


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