骨格筋の運動作用による分類

♢骨格筋の運動作用による分類♢


1つの動作をするとき、その中心となる筋肉を「主働筋(主動作筋)」(prime mover;agonist)といいます。


また、その動きと逆に働く筋肉を「拮抗筋(きっこうきん) 」(antagonist)といいます。

・ 主動筋が関与する関節の反対側に位置する筋肉

・ 動筋によって生じる動作の速さ、強度を調節

 例:肘関節屈曲時:上腕二頭筋→主動筋
                            上腕三頭筋→拮抗筋

人の身体はある主働筋が働く際、対になる拮抗筋が自動的に弛緩(緩む、たるむこと)
により、動作がスムーズに行えるようになっています。
これを「相反神経支配」といいます。


簡単にお伝えしますと…表の筋肉と裏の筋肉は逆の役割があるということです。

そして、1つの動作をするときに働く全ての筋肉を「共同筋」と言います。


共同筋には、「主働筋」をはじめ、「拮抗筋」「中和筋」「固定筋」「安定筋」などがあります。



♢共同筋(synergist)〝協力筋、協働筋〟♢

主動作筋の作用を助ける筋肉、筋群。

広義では、一つの動作に参加する全ての筋肉を意味しています。

♢中和筋 (neutralizer)♢
目的とする動作を行うため2つの異なる筋肉の作用が合わさって作用し、他の筋肉の働きが拮抗して不要な運動を打ち消し合うのに関わる筋肉
例)左右の外腹斜筋による体幹の屈曲作用


♢固定筋(fixator)安定筋(stabilizer)♢

固定筋、安定筋 静止性収縮により骨や関節を固定し支持性を与える筋肉。
例)腕立て伏せの姿勢で頭部が下がらない様に作用する頸部の伸筋群
・ 静止収縮によって、骨と骨を固定し、骨格を形成

◯ それぞれの筋肉が複雑な役割分担を担いながら目的とする動作を行っているのです。その筋肉の役割分担を知ることは、 機能的な運動を行う上で大変役に立ちます。



□ 肘の屈曲

屈曲とは、関節を曲げる動作のことを指します。
例えば、肘を曲げる際、上腕二頭筋が主働筋として収縮します。
その時、上腕筋や腕橈骨(わんとうこつ)筋がそれを補助し、拮抗筋である上腕三頭筋は
「相反神経支配」により、自動的に弛緩するというわけです。

□ 肘の伸展

屈曲の反対の動きは伸展と呼ばれ、立ち上がるときの肘のように、関節を伸ばす動作のことを指します。
肘を伸ばすと上腕三頭筋が主働筋として収縮し、上腕二頭筋が拮抗筋になり弛緩します。基本、拮抗筋は自動的に弛緩しますが、完全に脱力することはなく、適度に緊張を残した状態で弛緩します。そうすることにより、動く速度や角度が調節され、関節に負担をかけないようになっています。


△ポイント△
ある筋肉を鍛える際、その協働筋や拮抗筋も鍛えることで、筋力のバランスが良くなり、筋肉パワーをより効果的に発揮することが可能となります。

△筋力にもバランスが求められる△
逆に、その筋力に偏りがあると、弱いところにストレスがかかり、筋肉や腱、関節を痛める原因になります。
また、ストレッチを行う際にも、主働筋に対する拮抗筋を収縮させることで、主働筋がよりストレッチしやすくなります。

♢様々な要素で筋肉は変化する♢

筋収縮によって筋肉の起始と停止が近づくために生じる関節運動、筋肉が運動軸(屈曲と伸展、内転と外転、内旋と外旋などにおける運動の中心)のどこを通るかでその作用が決まります。但し、関節の形態や靱帯などの制限因子、別の筋(群)の収縮による力学的なベクトルの変化により作用(運動方向)は変化します。



まとめ

トレーニング動作で、骨格筋の運動作用による分類を理解して、それぞれの筋肉の役割や働きに意識を傾けることは、運動能力を向上させるための重要な知識です。さらには、怪我の抑制にも役立ちます。

「主導筋」「拮抗筋」「共同筋(協力筋、協働筋)」3つのポイントを抑えながらトレーニングを行っていきましょう!



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