肝臓

肝臓


肝臓は右側肋骨の内側で、横隔膜の下にあり、一部は横隔膜と癒着しています。

形は三角錐を、横にしたような形をしており重さは男性で約1400g、女性で約1200gあり体重の50分の1を占めています
身体の中で1番大きな臓器で栄養を別の形へ変化させたり毒素を害がないように中和させるなど…身体の化学工場とよばれています。


◻️肝臓の仕組み◻️


肝臓は、厚みがあって大きい右葉(うよう)と、小さい左葉(さよう)に分かれ、中央に血管、胆管、神経が走っています。

▹肝臓は「肝細胞」と「血管」の集合体


肝臓の細胞は「肝細胞」といい、肝細胞は50万個くらい集まって、「肝小葉」(かんしょうよう)という六角形の形をした、大きさ約1mmの柱を作っています。

肝臓にはこの、肝小葉が50万個くらいあり、約2500億個の肝細胞がぎっしりつまっていることになります。

▹肝臓と繋がる血管


肝臓と繋がる血管は

「腹大動脈」
 「門脈」
 「下大静脈」

の三本の太い血管でつながっています。

・腹大動脈
心臓から出て下へ向かう太い動脈。

酸素を含んだ血液を心臓から運んでくる血管になります。

・門脈
栄養を含んだ血液を胃や腸から肝臓へと運びこむ血管。

1番肝臓らしい血管と言われており門脈を通って様々な栄養が運ばれてきます。

・下大静脈
下半身から血液を集めて肝臓が処理した血液を心臓へ戻す血管。

身体で最大の静脈になります。


▹肝臓は再生能力が高い臓器


肝臓は少し切り取られただけでも、再生する事ができる唯一の臓器です。

◻️肝臓の働き◻️


日本語で「肝心かなめ」という古くから伝わる言葉があります。

この文字が示すとおり肝臓は身体にとって重要な働きを担っている臓器です。

肝臓は、様々な物質を科学的に作り替える働きを持ち、その数は500以上とも言われています。

①栄養素を貯え変化させる

多くの食べ物は、そのままでは身体に吸収されません。
肝臓では、身体が吸収できるように栄養素を変化させています。

・炭水化物をブドウ糖に変えます。

②血圧の調整


・ブドウ糖をグリコーゲン(糖原)に変えておき必要な時に糖に戻して血中に送り出します。

③解毒作用


体内に入った毒物を分解し毒のないものに変化させます。

・お酒のアルコールやタバコに含まれるニコチンを中和します。

・運動をすると筋肉がブドウ糖を燃やし乳酸を作り出します。

乳酸が身体に溜まっていくと身体は疲れを感じると言われています。

その乳酸を肝臓では、グリコーゲン(糖原)に変えています。

肝臓の解毒作用は、薬にも発揮されます。

たとえ薬でも、身体にとっては毒物です。

薬の飲み過ぎやお酒の飲み過ぎは肝臓を壊す素です。

④胆汁を作る


胆汁は脂肪を消化するために必要な液体で、緑黄色をしています。

肝細胞から、絶え間なく分泌されている胆汁は、脾臓から運ばれるビリルビン(古くなって壊された赤血球の残骸)という黄色い色素を、水に溶けやすいように変化させて、胆汁の中に排出しています。

⑤タンパク質の合成・分解


肝臓では血漿の主なタンパク質のアルブミンを合成しており血液凝固に関するフィブリノーゲンの合成もしています。

⑥尿素の合成


タンパク質の合成にはアンモニアなどの有害な物質が生成するが肝臓はアンモニアの毒性を低い尿素に変えています。

⑦体温の維持


合成・分解など様々な化学反応が行われるため、反応熱が発生する事で体温の維持にも役立っています。

⑧免疫細胞の活躍


肝臓の「マクロファージ(外からの異物である細菌やウイルス食べてしまう細胞)」大食細胞(たいしょくさいぼう)と言われています。

その中の一種であるクッパー細胞は、身体に入ってきた異物をガツガツ食べてしまいます。

「NK細胞」(ナチュラルキラー・リンパ球の1種)がウイルスに感染した細胞や老化した細胞を処理します。

免疫をコントロールするT細胞(骨髄で生成されたリンパ球が胸腺に移って成熟したもの)により免疫細胞の指令役の働きをしています。 

◻️肝機能と酵素の関係◻️


身体の仕事を沢山こなしている肝臓の化学作用には酵素が欠かせません。

その数は2000種類あります。

▹酵素の量は肝障害のバロメーター


肝臓に障害があると、壊れた細胞から血液中に酵素が大量に流れ出てくるため、血中にある酵素の数を調べると肝機能の善し悪しがわかります。 

AST(GOT)、ALT(GPT)は肝細胞で作られる酵素です。トランスアミナーゼ」と呼ばれます。

肝臓でアミノ酸の代謝にかかわる働きをしています。

心筋や骨格筋、赤血球中などにも多く含まれているASTと比べて、ALTは主に肝臓中に存在しているため、肝細胞の障害の程度を調べるのに適しています。

健康な人ではALTよりASTが高値を示しますが、肝障害の場合、ALTの方が高くなります。

▹頑張り屋さんでとても我慢強い肝臓だからこそ病気の発見が遅れてしまうことも…


肝臓病には

・ウイルス肝炎
・脂肪肝
・自己免疫性肝疾患
・アルコール性肝障害
・薬物性肝障害

と様々な病気があります。

病気によって進行の速度は違います。

自覚症状が出にくい肝臓の病気は自身と向き合う事が大切な予防となります。

生活習慣を気をつけ、食べ物や飲み物を意識するひと手間で病気は防げたり改善されていきます。

◻️まとめ◻️


肝臓は「沈黙の臓器」といわれています。

様々な角度から私達自身の身体に対応できるように化学変化をし、とても重要な役割を担っています。

我慢強い性質なので異常が起きてもすぐにわかりにくい臓器です。

そのため日頃の健康チェックの大切さが必要になります…。

血液検査などでは数値で肝臓の状態を確認できるので静かな臓器ほど気にかけてあげるようにしたいですね。


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