小腸【十二指腸】
♢十二指腸の働き♢
十二指腸は、胃で消化された食べ物に膵液(すいえき)や胆汁などの消化液を混ぜて、空腸に送る働きをしています。
胆汁や膵液の消化液はアルカリ性で、胃から送られてきた酸性の粥状液をすばやく中和します。
胆汁は脂肪を吸収しやすい状態に消化したり、脂溶性のビタミンの吸収を助ける働きを持っています。
膵液は、3大栄養素の消化酵素をすべて含んでいます。
こうして内容物が中和されると、すぐに空腸へと送り出されます。
十二指腸の仕組み
~肝臓・胆のう・すい臓の関係~
十二指腸では、肝臓でつくられる(胆汁)、膵臓から分泌される(膵液)によって食べ物の消化を進めていきます。
肝臓でつくられた胆汁は、胆のうに一時蓄えられ濃縮されて、その後は総胆管を経て十二指腸へと排出されます。
一方、膵臓から分泌された膵液は、膵管を通って運ばれます。
♢様々なホルモンが消化吸収の手助けに♢
胃で消化された食物が十二指腸に入ってくると、脂肪の消化物は十二指腸粘膜を刺激し、『コレシストキニン』というホルモン物質が分泌されます。
これが胆のうを刺激し、胆のうの収縮が起こって胆汁が十二指腸へ流れ込むしくみになっています。
その他にも『セクレチン』というホルモンは、胃液で酸性になった食べ物が入ってくると十二指腸の粘膜から分泌されます。
アルカリ性である膵液の分泌を促したり、胃液の分泌を抑えるように働きかけます。
また、ブドウ糖や脂質が刺激となり、胃抑制『ペプチド』という物質が十二指腸の粘膜から分泌されます。
胃液の分泌を抑えるよう働きかけます。
※十二指腸は食事や生活習慣でとても影響を受けやすい臓器です。
十二指腸の病気とは…?
△十二指腸潰瘍△
十二指腸の粘膜(ねんまく)がただれ、傷ついてしまう病気です。
十二指腸の粘膜は薄いので、出血したり穴があいてしまうことも起こります。胃に近い部分に多く見られます。
⚠️こんな場合は要注意⚠️
空腹時、特に夜間にお腹の上の部分に痛みを感じることが多く、吐き気、胸やけなどが起こる場合もあります。
穴があいている場合は激痛が起こります。
穴から消化中の食べ物が流れ出して炎症を起こしてしまい、すぐに手術を行わないと生命に関わる場合もあります。
※原因は何??※
胃から分泌される胃酸の影響を受けます。
ストレス、食事、喫煙、薬剤、などの影響により、粘膜を守るはたらきが弱くなってしまい、胃酸が十二指腸の粘膜を溶かしてしまいます。
十二指腸の粘膜は胃と比べて酸に弱いため、胃酸の分泌が多いと傷つきやすくなります。
また、胃と同様にヘリコバクター・ピロリ菌が大きな原因になっていると考えられています。
十二指腸潰瘍の患者さんの約95パーセントがヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているといわれています。
◻️治療と対策◻️
症状に合わせて胃酸の分泌を抑える薬や粘膜を守る薬を使います。
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染している場合は菌を除去する薬を使います。
潰瘍から出血している場合は内視鏡による止血を行います。
安静にして、たばこ、アルコール、熱いものや辛いものなどの刺激の強い食べ物を避け、消化のよいものを食べるようにすることが大切です。
■身体を整える事は食事の吸収や消化を助ける1番の近道■
消化や吸収は様々な臓器の協力により成立しています。
どこか一部でも傷んでしまっていたら、私達の生活は不自由なものになってしまいます。
日頃から体調を気をつける心がけは、皆さんの今後の日常を支えてくれる臓器達のサポートに繋がっていくということになります!!
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