脾臓(ひぞう)
脾臓(ひぞう)
横隔膜の下、左側の腎臓の上にあり、胃の後ろ側、肋骨の下に位置します。
◻️脾臓の仕組み◻️
こぶし大くらいの大きさで、重さは約80~120g、高さ10cm、幅7cm、厚さ3cm程で、腎臓に似た形をしています。
膵臓に接した脾臓は、スポンジのような軟らかさで、約2~3倍の伸縮幅があり、とても柔軟性に優れた臓器と言われています。
全体を腹膜に覆われた腹膜内臓器でもあります。
20才から40才が最も大きくなると言われていて、年をとるとともに萎縮していきます。
脾臓には「赤脾髄」と「白脾髄」があります。
▹赤脾髄
「脾索」(ひさく)細網組織(網目構造をしている)
「脾洞」(ひどう)洞様毛細血管
血液に満たされています。
▹白脾髄
リンパ小節(Bリンパ球を多く含む)全身のリンパ球の1/4が集まっています。
▹内部構造
脾柱動脈→中心動脈(白脾髄を貫く)→筆毛動脈(枝分かれしている)→莢(さや)動脈と脾臓の中には、いくつもの動脈が通っています。
◻️脾臓の働き◻️
▹脾臓は血液循環の濾過装置
身体には酸素を運ぶ働きをしている赤血球が全身に20兆個あります。
古くなると柔軟性がなくなり、細い毛細血管を通れなくなってしまいます。
身体が酸素を運べない状態になってしまうので古くなった赤血球は血液中から取り除かれます。
▹「赤脾髄」(外側)
赤脾髄では血液の貯蔵と破壊の働きをします。
血液は赤脾髄から放出され、血管から開放された血液は、脾洞という細長い細胞群の空洞に細胞の隙間をぬって流れ込み、脾中静脈へと戻ります。
▹古くなった血球の破壊
隙間を通れない古い赤血球は、異物と同じように引っかかったままになり、脾洞の周りにいる大量の白血球の1部マクロファージ(免疫細胞)に処理されます。
約2000億個の古い赤血球が、毎日処理されているのです。
古い赤血球の中の鉄は、新しく作られる赤血球に利用されます。
▹血液の貯蔵機能
・血小板(止血に関する血球成分)
・単球(単核球、単核白血球の貯蔵)
単球は、損傷を受けた組織回復に欠かせません。
運動時には、筋肉が大量の酸素を必要とします。
赤脾髄の働きによって脾臓に貯蔵された血液を供給します。
▹白脾髄(内側)
脾臓は最大の免疫機能の臓器です。
白脾髄では、Bリンパ球、白血球、Tリンパ球を作り、肺炎球菌、骨髄膜炎菌、インフルエンザ菌などの防御、細菌感染の抵抗する抗体を作ります。
◻️まとめ◻️
脾臓は、あまり聞き慣れない臓器かもしれませんが、隠れた働き者です。
その働きは、今世界中を不安にさせている新型コロナウィルスで、意識が高まっているとされる免疫機能の管理や、生活に欠かせない酸素を運ぶ血液の循環など、身体にとって欠かせない秘蔵な臓器であるということを知ってもらえたらと思います。
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